下図で後手の駒組が危険と見て、先手が55歩と突っ掛けていく変化を見ていきます。
上図より
▲55歩 △同歩 ▲同銀 (第0-2図)
先手は狙い通り55に銀を進めます。
第0-2図より
△54歩 ▲同銀 △同銀 ▲同飛 (第0-3図)
次に先手から54歩と抑えられては勝負になりませんので後手の54歩は仕方ありません。
しかし一歩得で銀交換を達成した第0-3図は先手大成功に見えます。
ところがこれは後手の待ち受けるところ、返し技を用意してありました。
第0-3図より
△65銀 (第0-4図)
この65銀が後手の狙っていたカウンターでした。先手は76銀~67銀成を受ける適当な手段がありません。
第0-4図より
▲58飛 △76銀 ▲78金 △77銀成 ▲同桂 △86歩 ▲同歩 △同飛 ▲87歩 △84飛 (結果図)
先手は67銀成を許すわけにはいかないので78金がまだしもですが、悠々と角を取って結果図。
飛車先をすぐに交換したのも細かいポイントで、48玉には69角68飛78角成同飛87飛成と突っ込む手があるので先手は玉を囲えません。
結果図は問題なく後手優勢でしょう。
最短の55歩の強襲は後手の見事なカウンターが決まって後手優勢となりました。
基本図までに55歩と仕掛ける形はどのタイミングでも54飛に65銀と打つ形にしてしまえば後手が十分となります。