第28図以降の攻防を見ていきます。
第28図より
▲49銀 △58歩 (第29図)
49銀は唯一の受けですが58歩が焦点の歩。
同銀は48角成、同金は39銀、同飛は69銀があるので先手はこの歩を取れません。
第29図より
▲79飛 △59銀 ▲57歩 △77歩 ▲同桂 △68銀成 ▲同金(第30図)
79飛には59銀が厳しい追撃で、以下38金には57桂成77角48銀打(下図)と絡みついて後手優勢。
また59銀に同角も同歩成同飛に再度の58歩(下図)が決め手。
以下同飛の一手に48角成とばっさり切って、同銀は49角、同飛は57桂成でいずれも寄っています。
本譜57歩は最善の粘りですが、77歩がそつのない利かしで飛車の直通を避けています。
以下第30図まで進んで決め手があります。
第30図より
△57桂成 ▲同金右 △同角成 △同金 ▲68角 (結果図)
57の地点で清算して68角の両取りが分かりやすい決め手です。
75同飛からの流れるような攻めが決まり結果図は後手勝勢です。
第20図より〈1〉56飛 〈2〉59飛 のどちらも後手が良くなったので、第19図より (a)75同銀 は後手良しと結論付けます。