第20図より 〈2〉59飛 を見ていきます。
59飛は56飛に比べて飛車が下段で安定している反面58歩を常に狙われます。
第20図より
▲59飛 △74飛 ▲77歩 △58歩 (第25図)
前述した58歩を後手はいきなり敢行します。
同飛は69銀があるので同金の一手ですがこの金が49まで戻ってくるには2手掛かります。
後手はその間に手を作りに行きます。
第25図より
▲同金 △75角 ▲66銀 △84角 (第26図)
58同金に75角が小気味のいい覗きです。
先手は次の48銀79飛54飛を受けなければいけませんが、ぴったりした手がありません。
57歩では84角と引かれて一歩得でも陣形差がありすぎてとても釣り合いが取れないでしょう。
先手は仕方なく66銀と投資しますが、後手は84角とこのラインで角を使います。
第26図より
▲48金 △64歩 ▲76歩 △65桂(第27図)
48金は角のラインに入るので怖い手ですが、放っておいても64歩~65歩がある上に54飛と回る手もあるので仕方ないところでしょう。
ただし64歩に49金と引くのは、以下65歩57銀54飛(下図)となって後手十分です。
次に56歩があるので先手から56歩と打たなければいけないのが辛く、後手は52金右~63銀と自然に駒組を進めて、機を見て8筋を狙えばよくなりそうです。
本譜76歩は手筋で76同飛には77金74飛75歩(下図)で先手優勢です。
後手が困ったようですが65桂が強手。
75銀の飛角両取りがありますが後手はそれで指せるとみています。
第27図より
▲75銀 △同飛 ▲同歩 △同角 (第28図)
当然の75銀に同飛と叩き切って第28図に進みます。
後手の75角が金に当たっていますが、先手は味のいい受け方がありません。
49金は48銀、57歩は56歩でいずれも受けになっていません。
次回に続きます。