先手中飛車対策鳥刺し(1) -強敵先手中飛車-

記念すべき第一回のテーマは先手中飛車対策としての鳥刺し戦法を取り上げます。

そもそも先手中飛車というのはもっとも急戦が通りにくい振り飛車と考えていまして、その理由として大きく
(1)振り飛車が角道を止めていないので角を捌かれやすい
(2)振り飛車の5筋からの反撃が居飛車の玉に近く厳しい
の二点が挙げられます。

(1)について、例えば四間飛車相手に75銀と出られれば一般的に居飛車成功とされていますが、先手中飛車に対しては54歩一発で角・飛車を両方とも捌かれ75銀が取り残されたままになるということが多々あります。
もちろん居飛車側も工夫して仕掛けるのですが、振り飛車の最大の弱点である角頭が狙いにくいのは確かです。

(2)について、これは(1)とも関係してくるのですが中飛車は5筋から攻めてきます。
そして居飛車の玉は急戦の場合32にいます。
したがって5筋を突破されたらまず勝てません、「53のと金に負けなし」はよく当てにならない格言の代表格として取り上げられますが、この戦型にはほとんどそのまま当てはまります。

最近、角道不突き左美濃という戦法が流行っていますが、あれは角道を突かないことにより(1)を避け、さらに玉を31(場合によっては22)まで持っていくことで(2)を緩和しています。

なら角道不突き左美濃でいいじゃん?と思うかもしれませんが、あの戦法は展開によっては銀冠→穴熊と持久戦にする含みがあり、もちろん理にかなっているのですが根っからの急戦党には不本意な展開とも言えます。

鳥刺しは玉を32より深く囲うことはありません、というか囲えません。
したがって準備ができたら直ちに仕掛けます。
正真正銘の急戦です。

では鳥刺しとはどういう戦法なのか、それを次回の記事で取り上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください