今回から基本図以下の攻防を検討していきます。
まずは銀対抗型基本図より (1)▲55歩 について
先手が最も突っ張った指し方ですね。
これで先手がいいなら鳥刺しが構想として破綻しています。
かなり華々しい戦いになるのでその攻防をゆっくり見ていきましょう。
基本図より
▲55歩 △同歩 ▲同銀 △86歩 ▲同歩 △65銀 (第1図)
途中、86歩に同角は55銀と戻して以下
1)31角成は同玉55飛87飛成
2)55同飛は86角同歩同飛
でいずれも後手優勢なので、このタイミングが一番良いでしょう。
55銀に65銀は手筋で、ここを55同銀では同角86飛88歩で難しくなります。
第1図より
▲54銀 △73桂 ▲78金 △56歩 (第2図)
ここから後手が技を見せます。
54銀は銀交換を迫ったもので、76銀には55角86飛91角成89飛成59金左(下図)と一直線に進めて難しい終盤戦ですが、先手の美濃が堅いのに対して後手は46香や55馬から43銀成が厳しく、かなり後手が勝ちづらい将棋と言えるでしょう。
54銀には73桂が幸便な活用で以下65銀には同桂55角86飛91角成89飛成(下図)となって後手大優勢です。
右桂が捌けているのが大きく、以下59金左には57歩48飛86角として後手勝勢です。
先手は仕方なく78金左と左辺をケアしますが56歩がまた好手。
54の銀取りになっていますが65銀はやはり同桂が厳しくこの銀は取れません。
第2図より
△45銀 ▲86角 (第3図)
45銀は不本意な撤退ですが76銀には55角86飛88歩87歩56飛88歩成同角(下図)となって後手決めきれません。
よって後手は86角と角交換を迫ります。
第3図から先手は (a)86同角 (b)87歩 の二通りの応手があるので順に見ていきましょう。