第6図より (a)86歩 を見ていきます。
第6図から
△86歩 ▲同歩 △同角 ▲同角 △同飛 ▲87歩 △85飛 (第7図)
86歩からの角交換は、後手の狙われそうな角と先手の主砲である角を交換しつつ飛車を好位置に配置してすこぶる味のいい手です。
85飛に対し先手はひるんではいられません。
第7図から
▲24歩 △同歩 ▲44銀 △同銀 ▲24飛(第8図)
24歩同歩に同銀も自然ですが、以下25歩36飛27角39飛49角成同飛38金(下図)の返し技があります。
後手の右辺が壁なこと、持ち駒の角と歩で先手からの攻めが続くこともあり上図自体はいい勝負かもしれません。
しかし後手からの攻めが分かりやすいのと、52金から右辺に逃げた形が捕まえづらいのもあり先手が好んで選ぶ局面ではないように思います。
本譜44銀とこちらに行くのがなんとも強い手で、この戦型における必修手筋です。
第8図では22角で何でもないようですが、そこで43角(下図)が用意の絶妙手。
以下23歩には32角成が次に42金までの詰めろなので後手は飛車を取る暇がありません。
とは言っても代わる応手もなく上図となっては先手の攻めが決まっています。
第8図から
△22歩 ▲44飛 △53銀 ▲43角 (第9図)
本譜22歩は仕方のない受けですが銀を取り返しての43角がまた強手。
以下42金には46飛45歩36飛43金31飛成62玉77桂82飛21龍(下図)と進みます。
一時的に駒損ですが、龍と飛車の働きの差、先手と後手の陣形差が段違いなので先手良しです。
後手からの速い攻めは無いので、先手は37桂や33歩から攻めを厚くする要領で行きましょう。
第9図から
△44銀 ▲32角成 △55角 ▲54馬 △52銀 ▲77桂 △84飛 ▲21馬 △19角成 ▲43銀 (結果図)
第9図以下は一例で、結果図もまだ簡単ではないですがやや先手が指せる形勢でしょう。
第6図より (a)86歩 は強行して先手が十分となります