雁木対策早繰り銀(11) -54歩型⑨-

第19図から [1] 44銀 を見ていきます。

第19図から
△44銀 ▲26銀 △35歩 ▲48金 (第20図)

44銀は3~5筋に厚みを作って模様勝ちを狙った手で、古くからある雁木らしい戦い方です。
先手は攻めの糸口を見つける必要がありますが、48金からこの金を攻めに参加させるのが好着想。
79玉と寄った手が効いていて金銀2枚でも先手玉は安定感があります。

第20図から
△55歩 ▲88玉 △43金 ▲37金 △54金 ▲66歩 △64歩 ▲36歩 (結果図)

54金には65金を防いで66歩と突いておくのが手堅いでしょう。
36歩と合わせていった結果図は攻めの金銀が捌ける目途が立って先手十分です。
後手玉は薄いので攻めが繋がってしまえばひとたまりもありません。

続いて第19図から [2] 77角成 を見ていきます。

第19図から
△77角成 ▲同銀 △43銀 ▲36銀 (第21図)

43銀に代えて44銀~35歩と抑え込みを狙うのは角交換をしている分、後手はバランスのとり方に苦労することになります。
先手は玉をしっかり囲ってから46歩と突いていくイメージで良くできそうです。
本譜は43銀として自陣を引き締めましたが36銀と立った形が角打ちの隙が無く好形です。

第21図から
△44眼右 ▲88玉 △41玉 ▲37桂 △33桂 ▲35歩 (結果図)

先手が悠々と矢倉に入っているのに対して、後手は52金と上がると71角の筋があるため囲い方が難しいです。
結果図から先手は59金~68金上という自然な手がありますが後手は攻防ともに指す手に窮しています。
52玉~41玉等でひたすら待機してくるようなら26角と設置して71角に48飛と回り、次の46歩を見せれば先手十分です。

第18図から (a) 45歩 は先手十分となりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください