第9図より (b)58金左 の変化を見ていきます。
58金左は離れ駒を無くしつつ57の地点を受けていますが、69銀の割り打ちが生じています。
後手はそこを狙って動いていきます。
第9図より
▲58金左 △65銀 ▲同銀 △同桂 ▲68角 (第12図)
本譜68角に代えて59角は後手有利になるので後述します。
また65同銀のところ68角では以下66銀同歩69銀(下図)の割り打ちが実現して後手十分です。
第12図から同じように69銀とすると、以下88飛58銀成同金(下図)となって今度は66歩からの桂取りが残っている後手が忙しいです。
先手の狙いは後手に桂を跳ねさせて負担にさせるというものでした。
第12図より
△86歩 ▲同歩 △87銀 ▲79飛 △86角 (第13図)
86歩同歩87銀の攻めは以前も出てきましたが今度は飛車が捕まるわけではありません。
(先手が68角に代えて59角と引いていると、87銀79飛88銀成69飛78成銀で飛車が捕まるので後手優勢です。)
後手の攻めは重いようですが、飛車先さえ突破してしまえれば先手の飛車が働いていない分指せるという判断です。
第13図より
▲同角 △同飛 ▲68角 △83飛 ▲66歩 (第14図)
86同角に代えて46角は64角とぶつけられて、以下同角同歩となった局面は後手の飛車が82で安定している分後手の得です。
68角は苦しい受けですが単に66歩では78銀成同飛89飛成(下図)で後手優勢です。
以下68飛には77桂成で取れそうだった桂馬で飛車を取られてしまいます。
第14図より
△88角 ▲65歩 △79角成 ▲同角 △78銀不成 ▲46角 △89飛成 ▲91角成 △99龍 ▲46馬 △89飛 (結果図)
88角では88銀59飛89銀不成と進めるのも有力です。
本譜は二枚飛車の攻めを目指しました。
結果図はお互い目一杯捌き合って駒の損得はありませんが、二枚飛車で攻めている後手の方が勝ちやすいと判断します。
後手としてはこの後35桂には31桂、26香には22香といった具合で自玉の安全度を保ちながら指すのが大切です。